児童養護施設「野の花の家」で子どもに囲まれる理事長の花崎みさを=2024年9月、千葉県木更津市
 児童養護施設「野の花の家」で子どもに囲まれる理事長の花崎みさを=2024年9月、千葉県木更津市
 ベトナムから来た難民の少女と暮らした家の玄関に立つ花崎みさを=2024年9月、千葉県木更津市
 1975年4月17日、首都プノンペンを制圧したポル・ポト派兵士ら(カンボジア虐殺記録センター提供・共同)
 南シナ海で救助され、名古屋港に上陸したベトナム難民たち=1979年8月24日

 ワンマン列車が田園地帯を進み、開けた窓から草花の香りが吹き込む。千葉県木更津市のJR木更津駅から久留里線で約30分。無人駅で降り、さらに30分歩くと、坂の上から無邪気な子どもたちの声が聞こえてきた。日本の子と外国にルーツを持つ子が一緒に駆け回り、じゃれ合っている。

 児童養護施設「野の花の家」は1985年、理事長の花崎みさを(83)が「アジアと日本の子が共に住める家をつくりたい」と設立した。今ではドメスティックバイオレンスに苦しむ外国籍の母子を支援する施設や、外国人の相談を受けるセンターも運営する。

 40年以上前、資金も人脈もない中、日本で先駆けて「外国人共生」を目指した花崎。きっかけは、ある...

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