
「赤い家」の外壁=2025年12月、フィリピン・サンイルデフォンソ(共同)
フィリピンの首都マニラから北約50キロ、周囲に水田の広がるサンイルデフォンソに廃虚となった2階建ての洋館がある。太平洋戦争中、旧日本軍による集団性暴力の現場となった。特徴的な外壁の色から「赤い家」と呼ばれる。侵略被害の歴史を象徴する代表的な戦争遺跡だが、財政面で保存や再建は困難に直面し、完全に倒壊するのは時間の問題とみられている。
ひび割れたむき出しの木の柱が屋根を支えている。内部は草が茂っていた。「来たばかりの頃は窓も残っておりきれいだった」。13年前からそばで食料品店を営むリチャード・ベラルデさん(55)はこう話した。
1944年11月23日、日本軍はサンイルデフォンソに隣接するマパニケ...
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