
山極寿一さん
過去2年間でチンパンジーの研究で世界を沸かせた3人の巨人がこの世を去った。クリストフ・ボエシュ、フランス・ドゥ・ヴァール、そして昨年10月に亡くなったジェーン・グドールである。いずれの研究者も人間に最も近いチンパンジーの研究を通して、人間性とは何かを深く考えさせてくれる発見を次々に世に送り出してきた。
なかでもグドールは霊長類学の草創期から日本の研究者と深い関係を結んできた。第2次世界大戦直後にニホンザルの野外研究を始めた日本の霊長類学者は、それまで人間にしか認められなかった社会と文化の萌芽がサルにもあることを発見していた。
そして、さらに人間に近いゴリラやチンパンジーの調査にアフリカへ向か...
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