安倍晋三元首相銃撃で殺人などの罪に問われた山上徹也被告の裁判員裁判で、奈良地裁が無期懲役の判決を言い渡した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への被告の復讐心から発した事件は、高額献金や宗教2世、政治家との接点など日本社会に沈潜していた宗教を巡る問題を一気に引きずり出した。

 判決は被告の「不遇な側面」を認めながらも、焦点だった量刑で宗教的虐待を考慮せず、「生い立ちの影響を大きく認めることはできない」と判断した。ただ、公判で明らかになった事実は非常に重く、宗教事件としてもしっかりと記憶にとどめるべきだろう。

 判決によると、被告の幼少期に父親が自殺した。母親は、被告の兄が病気を抱える中で教団に入...

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