新潟国際アニメーション映画祭の見どころについて語る早川千絵さん=1月、新潟市中央区
新潟国際アニメーション映画祭の見どころについて語る早川千絵さん=1月、新潟市中央区

 第4回新潟国際アニメーション映画祭が20日、開幕する。審査員を務める、映画監督で開志専門職大アニメ・マンガ学部教授の早川千絵さんに、映画祭の意義や見どころを聞いた。

 早川さんは2025年、監督作の映画「ルノワール」がカンヌ国際映画祭のグランプリを競うコンペティション部門に正式出品されるなど、これまで数多くの映画祭に参加してきた。

 新潟の映画祭を知ったのは23年の第1回の開催直前、京都で行われた映画イベントだった。「映画祭やアニメ・漫画の文化を通じて、新潟を人が集まる拠点にしたい」。映画祭の創設者で映画会社「ユーロスペース」代表の故・堀越謙三さんが強い思いを込めて語っていたことを鮮明に覚えている。「まさか自分が審査員を務めることになるとは、思ってもみなかった」

 「特別な存在」という堀越さんとは早川さんが20代の頃、堀越さんが立ち上げ、共同代表理事を務めていた「映画美学校」(東京)で知り合った。自作の短編映画のビデオテープを渡した翌朝、「見ました」とメールが来た。

新潟国際アニメーション映画祭の審査員を務める早川千絵さんが監督した映画「ルノワール」のポスタービジュアル(C)2025「RENOIR」製作委員会/International Partners

 「メールに書かれていた言葉が力になり、今まで何とかやってこられた。どんな言葉かは秘密です」

 実写ではない映画祭の審査員を打診され、「畑違いなのに務めていいのか」と迷いもあったが、堀越さんとの縁を感じて引き受けた。「私自身、アニメの自由な発想と可能性から、刺激を受けている。映画祭から学びたい」と考えている。

 映画祭のコンペティション部門は274作品の応募から長編は7作品、中編が対象の「インディー・ボックス」は10作品を厳選し、上映する。「劇場で作品を見るのが、映画祭の醍醐味(だいごみ)だ。事前に情報を入れないようにして、まっさらな気持ちで審査したい」と話す。

 映画祭について「長編に特化した映画祭は、世界的にも珍しい。アニメ大国と言われる日本に、世界から多様な作品が集まる素晴らしい機会だ」と指摘する。

 また、新設の中編部門も注目しており、「予算も含め、作家が挑戦しやすい。上映時間が短いので、試しに見ようというお客さんもいるはず」とみる。

 映画祭で楽しみにしている一つが、自ら企画した開志専門職大とのコラボセミナーだ。25年にカタールの映画祭で知り合ったアニメ制作会社「スタジオ4℃」代表でプロデューサーの田中栄子さんに、その場で講演を依頼し、実現した。

 「田中さんは作家性の強い唯一無二の作品を手がけている。私が20代で堀越さんに出会ったように、映画祭が国内外の一流の方と出会う場になればいい。大勢の若い方々に、ぜひ来てほしい」と呼びかけている。

 田中さんの講演会は25日午後0時半から、田中さんのトークと映画「マインド・ゲーム」の上映は午後2時から、新潟市中央区の市民プラザで行う。いずれも無料、事前申し込み不要。問い合わせは開志専門職大アニメ・マンガ学部、025(378)5128。