2月23日(月・祝)曇り 今回のNIAFFの大きなトピックは「Indie Box」部門の新設。対象はストーリー性のある中編作品で、応募規定は15分以上40分未満。これはとても良い試みだと思う。

 折しも現在、映画館ではわずか46分の作品「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」(亀山陽平監督)が大好評公開中だ。これは元々3分半のショートアニメ全12本をまとめて劇場用に仕立て直したもの。内容の良さに加え、サクッと見られる長さも受けて大ヒット中。時代は今「中編」なのだ。国民的作家に成長した新海誠監督が最初に世に知られた作品「ほしのこえ」(2002年)も25分の中編だった。

 テレビシリーズの1本とほぼ同程度の中編作品は特に若い世代のつくり手にとっての憧れだ。最初はショート作品をつくっていても実力がつけばいつかはという目標。キャラクターの魅力の深掘りやストーリー展開が可能な長さで、かつ資金繰りや技術力、スタッフ集めもさほど困難ではなく、今ならWEB公開で制作費回収の可能性もある。それが中編の魅力だ。

IndieBox部門に出品、記者会見に臨んだ右からイ・サシャ、プ・ヒョジョン、キム・デニス・スンミン、うったまーの各監督と司会の北條誠人映画祭実行副委員長(2月22日)

 第1回の応募は225作品と多く、関心の高さがうかがえる。応募規定ではシリーズ作品のエピソードも対象なので、将来的にはまた新しい動きも見られるのではないか。

 関心の高さは観客にも表れていて、初回上映の22日は見やすい席を探さないといけない入りの良さ(こういう時に自由席は便利)、2日目の23日は入場待機列がホールからロビーを抜けてドアの外まで続く盛況ぶり。年齢層は幅広いがやはり若い人が多い。

 今回はA、Bのプログラム各5本、16分から27分に渡る作品10本が上映されたが、1本ごとに上がる拍手も温かく、新設部門の成功が感じ取れた。両日ともにつくり手が登壇してのトークが行われ、スタッフをSNSで募集し、オンライン上で作業を共有して進めるなど現代的な制作事情が明かされ、大いに刺激になったのだった。(アニメ評論家)

 五味洋子(ごみ・ようこ)群馬県出身。旧姓・富沢。「アルプスの少女ハイジ」「ルパン三世カリオストロの城」などに動画で携わる傍ら、アニドウで上映会やアニメ専門誌「FILM1/24」編集発行を手がける。退職後アニメ評論家として「キネマ旬報」等に執筆、東京アニメアワード一次選考委員等を務める。著書に「アニメーションの宝箱」「未来少年コナン また、会えたね!」など。

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