北海道大教授の黒岩麻里さん
 北海道大教授の黒岩麻里さん
 Y染色体がないアマミトゲネズミ

 多くの哺乳類は細胞の一つ一つに数十本の染色体を持ち、そのうち性染色体と呼ばれるX染色体が2本あれば雌、XとY染色体が1本ずつあれば雄というのが、一般的な生物学の法則だ。北海道大の黒岩麻里教授は、進化の過程でY染色体と、そこにあった性別を決める遺伝子を失っているにもかかわらず雄が存在する哺乳類「アマミトゲネズミ」について調べ、動物の性が決まる仕組みに迫っている。

 アマミトゲネズミは鹿児島県奄美大島にのみ生息する国の天然記念物で、絶滅危惧種でもある。生体試料の入手は困難で、性決定の研究に欠かせない発生期の胚を使う実験は不可能。黒岩さんが研究に取り組み始めた2004年ごろ、周りから「(研究は)絶対...

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