取材に応じる平岡五城さん
 取材に応じる平岡五城さん
 神道系宗教団体「大本」本部にある石像。戦前の治安維持法違反容疑などで摘発された当時、頭部や手が破壊されたという=京都府亀岡市
 信者約千人が治安維持法違反容疑などで摘発された事件に伴い、破壊された神道系宗教団体「大本」の教団施設=1936年5月、現京都府綾部市(大本提供)

 戦前、警察当局が神道系宗教団体「大本」の信者約千人を治安維持法違反容疑などで摘発し、後に無罪となった事件があった。国家による弾圧が反省もないまま忘れられる―。危機感を抱いた兵庫県尼崎市の平岡五城さん(84)は昨年末、事件後に「村八分」にあった父の体験を明かし、記憶継承を訴える。教団関係者は、現代に通じる教訓があると指摘する。

 大本は京都府綾部、亀岡両市に本部を置く。1892年に開教、世界の「立て替え立て直し」を教義とした。警察は1935年12月、天皇の統治する「国体」の変革を企てたとして、治安維持法違反と不敬罪の容疑で教団本部を捜索。教団関連団体に軍や右翼の関係者がいたことへの警戒心が背景にあ...

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