「レコーディングは本当に楽しかった。このためにピアノをやってきたんだなと思ったくらいです」と満面の笑みで語る菊池洋子
 「レコーディングは本当に楽しかった。このためにピアノをやってきたんだなと思ったくらいです」と満面の笑みで語る菊池洋子

 古今東西、バレエはあらゆる人の心を魅了してきた。肉体を磨き上げたダンサーの生命力あふれる踊りとオーケストラの音楽が織りなす舞台はまさに「美の極致」。筆者も見るたびに感性が刺激され、気づけば登場人物と共に喜び、涙し、幸せにひたっている。

 そんなバレエ好きの人もまだ見たことがない人も、ウィーン在住のピアニスト菊池洋子の新譜「バレエ・ファンタジー」を聴いてみてほしい。バレエ曲のピアノ編曲版や関連する楽曲を集めたアルバムだが、ただの曲集とはひと味違うのだ。

 まず、選曲が普通でない。世界初録音が多く、豆知識も豊富だ。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の編曲は弟子のタネーエフだが、気合を入れすぎて師を困惑...

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