ロシア・スモレンスク郊外のカティンの森にあるポーランド人捕虜集団墓地の入り口(小林文乃さん撮影・提供)
ロシア・スモレンスク郊外のカティンの森にあるポーランド人捕虜集団墓地の入り口(小林文乃さん撮影・提供)
ヤニナ・レヴァンドフスカ=1936年撮影(小林文乃さん提供)
アグネシュカ・ドヴブル・ムシニツカ。ヤニナの妹=1938~39年撮影(小林文乃さん提供)
ヤニナの故郷ルソヴォの博物館に収蔵されているヤニナの頭蓋骨のレプリカ。1943年に発見され、2005年に故郷へ返還された(小林文乃さん撮影・提供)
小林文乃さん=2026年3月、東京都内
「カティンの森のヤニナ」の表紙
ヤニナと、夫のミエチスワフ。夫婦ともにパイロットだった=1939年撮影(小林文乃さん提供)

 第2次世界大戦中、旧ソ連がポーランドの将校ら2万数千人を虐殺し、現在のロシア西部の森に埋めた「カティンの森事件」。「独ソ戦最大の謎」ともいわれ、巨匠アンジェイ・ワイダ監督も映画「カティンの森」で題材としたが、日本人で知る人はそう多くないだろう。

 ノンフィクション作家の小林文乃さん(45)は、この事件にこだわった。犠牲者の中におそらくたった一人、女性がいたこと、彼女が優秀な飛行士であったことを知って、衝撃を受けたからだ。

 名前をヤニナ・レヴァンドフスカという。小林さんは彼女の足跡を追ってポーランドへ、そしてロシアを訪ねる。ヤニナはその姿をなかなか見せてくれなかった。苦労の末、書籍「カティンの森のヤ...

残り3291文字(全文:3590文字)