献花台に向かい、犠牲者への祈りをささげる参加者=8日夕、上越市
献花台に向かい、犠牲者への祈りをささげる参加者=8日夕、上越市

 第2次世界大戦中に多くのオーストラリア兵が亡くなった、新潟県上越市の直江津捕虜収容所跡地で8日夕、「平和の集い」が開かれた。参加者は犠牲者の鎮魂と平和を祈り、黙とうをささげた。

 収容所の歴史を語り継ぐ市民団体「上越日豪協会」が主催し、今年で27回目。収容所跡地に整備された平和記念公園に会員ら約30人が集まった。

 収容所は1942年に造られ、シンガポールで捕虜となった約300人のオーストラリア兵らが収容された。過酷な労働環境の中、約60人が亡くなった。

 集いでは、代表者が同市の児童文学作家、杉みき子さん作の詩「鎮魂」を朗読。公園の中央にある平和友好像に設けられた献花台に1人ずつ花を手向けた。

 収容所の語り部ボランティアを目指しているという上越市の男性(73)は「戦争の悲惨さを若い世代に語り継ぎ、平和への思いを多くの人と共にしていくことが大事だ」と話した。