
世界で初めて原爆が投下された街として、ヒロシマの被爆者は非核と平和を求めてきた。7月末から8月6日の間に広島市が企画したジャーナリスト研修に新潟日報社から参加し、証言を続ける男性にあの日の記憶と77年が過ぎた今の思いを聞いた。(報道部・中山朝子)
1発の原爆が広島から奪った命は約14万人とされる。生き残った被爆者らは、そのむごさを世界に訴え続けてきた。だからこそ、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用に言及したことに憤る。「歴史が伝わっていないから、こういうことが起きる」
広島市の山本定男さん(91)は当時、広島県立第二中学校(二中)の2年生だった。市の中心部にいた1年生は321人全員が亡くな...
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