第49回衆院選は31日の投開票に向け、最終盤に入った。ただ、新潟県の各候補者の陣営は有権者の盛り上がりをいまだ感じられないでいる。当落の行方にも影響する県内投票率について、全国で2番目に高い62・56%を記録した2017年前回選よりも下がるとの見方が目立つ。一方、前回と同様に、多くの小選挙区で自民党候補と野党共闘候補による激戦になっていることから、今回も前回並みか、やや上がるとの見方もある。
「有権者の関心が高まっているという感触はあまりない」
29日、ある野党共闘候補の街頭演説会場で陣営関係者が声を落とした。立憲民主党と共産党などが連携する野党共闘陣営は政権交代を訴えているが、旧民主党が政権交代を果たした09年衆院選時の盛り上がりとは比べるべくもないという。
自民側も同様の肌感覚を抱く。ある自民候補の陣営関係者は「むしろ、有権者はどこか冷めているとすら感じる」と話す。
街頭演説に集まったり、候補に手を振ったりしているのは「見知った顔ばかり」。自民にとって以前から取り込みが弱いとされる無党派層の関心を呼んでいるとは言えないとみる。
盛り上がらない原因について「無党派層にとって身近な問題が争点になっていない」との指摘もある。有権者にとって大きな関心事となっている経済対策を含めた新型コロナウイルス対応は、与野党の主張が似通っているからだ。
自民県連の小野峯生幹事長は投票率について「読みにくいのが正直なところ」と前置きしつつ、「前回並みや前回より上がるような雰囲気はない」と語る。自民と連立を組む公明党県本部の志田邦男代表も「争点がはっきりせず、前回よりやや下がる」と推測する。
野党・国民民主党県連の上杉知之代表代行も「前回を若干、下回る」とみる。
一方、前回並みか、上がるとの見方もある。立民県連の大渕健幹事長は、前回と同様、全県的に与野党が激しく競り合っていることから「前回並みにはなるのではないか」と話す。
新潟日報社が23~26日に行った電話世論調査で、衆院選に関心があるとの回答は78・2%で、前回選の終盤世調を0・3ポイント上回った。期日前投票の投票者数も前回よりも増えている。
共産県委員会の樋渡士自夫委員長は「前回並みかやや上回る」。社民党県連の小山芳元代表は「多少上がるのではないか」として、無党派層の取り込みに力を入れる構えだ。