新潟県佐渡市の市民たちが「佐渡島(さど)の金山」を世界遺産にしようと動き出して四半世紀。国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書が提出されるまで、紆余(うよ)曲折があった。一方でこの間、島の若者たちの内心に金山を含めた地元の歴史、文化に対する愛着が蓄えられてきた。

 約400年間、佐渡金山を支えた鉱山町の佐渡市相川地区。中でも江戸時代に豪商らが軒を連ねた京町通りは古民家が立ち並び、往時のにおいを感じさせる。

 その一角に、鉱山で働く人の住宅だった建物を改装したレストラン「古民家空間 京町亭」がある。店長の川嶋大地(ひろくに)(38)は相川出身。金山を生かし、町を盛り上げられないか-。地域のことが...

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