冒頭の写真は1990年10月、初めて中国(遼寧省瀋陽市郊外)に訪れたときに撮影した生涯忘れえぬ1枚です。大地に陽が沈み、しばらくすると築堤から満月が浮かび上がってきました。都合よく列車が通過するとは思いませんでしたが50㎜の標準レンズを付けた一眼レフカメラを三脚に据えました。  露出はISO100のフィルムで開放F1.4、1/125。真横のアングルですからシャッタースピードをこれ以上、下げたくありません。月明りは徐々に光度増すなかで周辺は暗くなってゆきますから感度(増感現像)を上げるかシャッタースピードを落とすかいずれかの選択です。さらにフィルムを巻き戻して新しいフィルムを詰め直し...

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