中国・寧夏回族自治区・中衛 1993年1月

 前回書いた通り被写体(人)と対峙というか関わって撮る場合において、相手に極力余計なことを申し出ないと書きました。具体的に言うなら自分の理想とするアングルの立ち位置に誘導できたならいいですが、そうでなければ相手に合わせるということです。極力、“絶対非演出”ですね。  冒頭の写真を撮るまでの経緯を書きます。  砂漠地帯を行く道を走っていたら数頭のラクダを引き連れた男と出会いました。すぐさま車を降りて、男と一緒に歩きながらラクダを背景に蒸機を撮りたいと中国の友人を介して交渉しましたが、歩みを止めることはありません。ところが、突然歩みを止めて友人と話を始めました。(友人の講釈が面白か...

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