液状化現象とみられる被害で動けなくなった車両=1月1日午後7時半前、新潟市西区鳥原(画像を一部加工)
液状化現象とみられる被害で動けなくなった車両=1月1日午後7時半前、新潟市西区鳥原(画像を一部加工)
新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授

 能登半島地震の影響で、新潟県内で新潟市西区や中央区、西蒲区、上越市などで地面から泥水が噴き出し、電柱が傾いたり、道路が陥没したりする「液状化現象」に伴う被害が相次いだ。特に被害の大きかった新潟市西区について、新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授(57)は「砂丘地の裾野で液状化が起きやすい場所だ」と指摘する。大きな余震で被害が広がる恐れがあるとして、崩落した道路など危険な場所に近づかないよう警鐘を鳴らす。

 卜部教授は、新潟市西区の主な被害が砂丘地の裾野で起きたと分析。細かい砂粒が緩く積もった地盤であることや、砂丘に染み込んだ地下水が常に湧き出ていることを挙げ、「液状化しやすい地形、地質の条件がそろっている」とする。

 新潟市西区では今回、震度5強の揺れが加わり、砂粒同士で支え合っていた状態が崩れた=下部の図を参照=。裾野の砂粒と地下水が混ざり、泥状になった後に分離したことで、斜面に堆積していた砂が滑り落ちるなどし、地面が崩落したとみられる。

 新潟市西区周辺は1964年の新潟地震でも液状化被害が大きかったとし、「特に地盤が変状しやすい弱い場所だ」とする。

 新潟市内は他にも、沼を埋め立てた造成地など地盤の弱い場所が多い。今後も大きな揺れが起こると、石垣の崩落など新たな被害が起きたり、既に起きた被害が広がったりする恐れもあり、警戒が求められる。

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