
今回は「ロコモティブシンドローム(ロコモ、運動器症候群)」についての診方(診察の視点)です。
ロコモは運動器の障害によって、立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態です。運動器とは骨や関節(軟骨)、筋肉、手足にある末梢(まっしょう)神経や脊髄神経などで、移動や運動をつかさどり、自立して生活をするために重要な器官です。
高齢になり、「膝や腰が痛く、階段の昇降がつらい」「簡単に骨折した」「歩くと足がしびれ、途中で休むようになった」と訴える患者がいます。これは四肢や背骨の関節、骨、神経が弱り、ロコモ状態に至った可能性があります。
原因となる疾患は複数あります。関節軟骨が摩耗する...
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