
上越総合病院総合診療科の大堀高志と申します。今回は「高齢者の転倒」の診方・味方についてです。
「転んでけがをしたら整形外科医に診てもらう」。これは昔も今も大きくは変わりません。「大きくは」としたのは、最近高齢者のけがでは総合診療医が関わることが増えたからです。
尻もちをつくなどして腰が痛くなる脊椎圧迫骨折は、高齢化社会を反映して増加しています。痛みがひどくて生活が困難であれば入院が必要で、以前は(今でも病院によっては)整形外科に入院していました。
ただ、ほとんどは手術不要で、鎮痛薬投与とリハビリで経過を見ていくだけであり、整形外科医でなくてもかまわないのが実情です。
むしろ高齢で圧迫骨折をす...
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