将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯(新潟日報社など主催、協賛社・大塚製薬)5番勝負の第3局が3月3日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで指される。藤井聡太棋王(八冠)に、初のタイトルを狙う伊藤匠七段が挑む。2人による注目の「同学年対決」や、新鋭たちを歴戦のプロはどう見ているのか。立会人で、棋界最高峰の「竜王戦」を3連覇した実績がある藤井猛九段に対局の見どころや、令和の棋士像について尋ねた。(4回続きの3)
- <1>「藤井システム」のような武器
- <2>「羽生世代」が見る同学年対決
- <4>棋士とAI
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第49期棋王戦第3局の局面は3月3日午後4時現在、序盤戦に戻ったような状況となっている。大盤解説会に登場した藤井猛九段は、後手番の伊藤匠七段の対局者心理にも触れながら解説を進めている。
伊藤七段は、過去1度も藤井聡太棋王に勝っていない。藤井九段は対局前日の新潟日報社のインタビューで、「まず1回勝たないといけない。 1回も勝てていないと、勝つイメージが湧かない。タイトル戦はやっぱり日程も結構取られるし、その重みもある。普通の日帰りの将棋のタイプより倍疲れる」と語った。
藤井九段は、逆に勝つ意味合いについても説明。「勝つと嬉しい、充実感がある。経験者から言わせてね。勝つと次も勝てるかなって思う。 負けると次も負けちゃうんじゃないかと思うのは人間ですよね。若いとね、一つ勝つと全然違ってきますからね。今回の後手番で伊藤さんが勝って、(第4局で)先手番を引くと、イメージも湧いてきますよね。それは大きいです。明日(3日)勝てればシリーズの中のポイントにもなる」と話していた。
難しい戦いが続く第3局。藤井九段は、大盤解説会でも、「伊藤七段が一つ勝てば」という話に触れた。伊藤七段にとって、この一局はもちろん、シリーズ全体の流れをも左右しそうな局面を迎えていそうだ。