
地域公共交通総合研究所の大上真司副理事長
路線バス事業の行方がかすんでいる。運転手の労働時間の規制強化が2024年4月に迫る中、慢性的な運転手不足に拍車がかかり、新潟県など全国で路線バスの減便や廃止が相次いでいる。いわゆる「2024年問題働き方改革関連法に基づき、4月1日からバス運転手の時間外労働の上限を年間960時間に制限する。1日の拘束時間の上限はこれまでの16時間から15時間に減る。勤務間の休息(インターバル)は継続11時間を基本に、最低は9時間となる。」だ。交通事業者の実態調査や政策提言を行う一般財団法人地域公共交通総合研究所(岡山市)の副理事長で、岡山県を中心に路線バスなどを運行する両備(りょうび)ホールディングス(HD=岡山市)の執行役員を務める大上真司さん(43)に、事態打開の可能性について聞いた。
-バス業界を取り巻く現状と事業者が取り組むべき課題を教えてください。
「乗客減少や2000年代の自由化などでバス事業はもうからない産業になった。事業者も...
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