
実証実験で公道を走る自動運転バス「ミコぴょん号」=2月、弥彦村
路線バス事業の行方がかすんでいる。運転手の労働時間の規制強化が2024年4月に迫る中、慢性的な運転手不足に拍車がかかり、新潟県など全国で路線バスの減便や廃止が相次いでいる。いわゆる「2024年問題働き方改革関連法に基づき、4月1日からバス運転手の時間外労働の上限を年間960時間に制限する。1日の拘束時間の上限はこれまでの16時間から15時間に減る。勤務間の休息(インターバル)は継続11時間を基本に、最低は9時間となる。」だ。地域を支える交通手段をいかに維持していくのか。対策を急ぐ県内事業者を紹介する。=3回続きの3=
- <上>運転手の「残業頼み」のダイヤ、働き方改革で維持困難に
- <中>他産業より低い賃金、待遇改善の道は
- [インタビュー]地域公共交通総合研究所・大上真司副理事長
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鮮やかなピンク色の車体が目を引く。ハンドルや運転席もない8人乗りの小さなバス。新潟県弥彦村が3月、県内で初めて公道での運行を始めた「自動運転バス」だ。村役場からJR北吉田駅までの約6キロのルートを、片道約40分で往復する。
バスは先行車との距離の見極め、加速、停止と全てを自動で行う。車内にはゲーム機のコントローラーのような器具を持った乗務員が乗車するが、緊急時以外は基本的に操作しない。大型2種免許などの資格は必要なく、普通免許で乗車できる。
自動運転バスは、運転手不足を解決する手段の一つとして期待されている。弥彦村の...
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