ジャム・セッションといえばミュージシャンたちが楽譜などにとらわれず、即興で演奏することを指す。チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーらジャズ界の伝説となった巨匠がファンを熱狂させた

▼ジャム・セッションにあやかって「ノベルジャム」と銘打った取り組みもある。著者と編集者、デザイナーがチームを組んで、互いに刺激し合いながら、即興の要素も取り込んで短期間で小説を世に送り出す。NPO法人「HON.jp」(東京)が数年前から手掛けている

▼新たな活字文化を発信する手法として注目したい。新発田市の敬和学園大も昨年度から「阿賀北ノベルジャム」と称して取り組んでいる。教員の中に「HON.jp」の理事がいたことから始まった

▼小説作りを通して、新発田や胎内、村上市など阿賀北地域の魅力発信を目指す。作品はおのずと阿賀北が舞台となる。それでも、時代の設定が陸軍歩兵第16連隊があった明治だったり、戦闘型ロボットが登場する近未来だったりすることもある

▼コメや村上の鮭に舌鼓を打つシーンが登場する作品もある。作者の地元愛が伝わってくる。県外からの参加者もおり、作品の下調べに本県を訪れることもあるので観光振興にも貢献している

▼本年度は福井県で、持続可能な開発目標(SDGs)に取り組む団体が「絵本ジャム」を始めた。阿賀北の活動を知り刺激を受けたようだ。こちらは福井のSDGsがテーマ。地域の魅力の伝え方はいろいろある。心強くなる。

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