県道胎内二王子公園羽黒線の土砂崩れ現場=9月16日、胎内市下荒沢(県提供)
県道胎内二王子公園羽黒線の土砂崩れ現場=9月16日、胎内市下荒沢(県提供)

 新潟県胎内市の県道で9月16日に確認された大雨による土砂崩れで、道路の復旧作業は19日も続いた。土砂崩れの影響で、市街地と宿泊施設「奥胎内ヒュッテ」(下荒沢)の往来ができなくなり、登山客らが一時孤立して県の防災ヘリで救助される事態となった。ヒュッテは臨時休業し、道路復旧の見通しも立っていない。周辺は県内有数の紅葉スポットだけに、関係者は秋の行楽シーズンへの影響を心配する。(新発田総局・小柳香葉子)

 胎内市や県によると、土砂崩れは県道胎内二王子公園羽黒線のヒュッテから直線距離で約4キロ下流側で発生。道路脇ののり面が幅約20メートル、高さ30〜35メートルにわたって崩れた。土砂の撤去作業は9月17日に始まった。19日時点で登山客らの車5台が残されたままになっている。

 土砂崩れが起きた県道では過去にも別の場所で土砂崩れが起きている。2017年8月には大雨で道路が崩落した。23年春には融雪や雨の影響で土砂崩れが発生し、約10キロの区間が通行止めとなった。10月に解除されたものの、ヒュッテは電気設備の故障などで全く営業できなかった。

 ヒュッテは今季の営業を6月から始め、9月15日までに約740人が宿泊。11月まで約80人の予約が入っていた。ヒュッテでは予約客に状況を説明する連絡をしている。樋口透支配人は「『残念だけど来年また予約したい』との声があり、ありがたい」と話す。

臨時休業を余儀なくされた奥胎内ヒュッテ=胎内市下荒沢

 ヒュッテの上流にあり...

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