こしあん、白あん、すりごまが乗っている「御菓子司 羽入」の三色だんご
こしあん、白あん、すりごまが乗っている「御菓子司 羽入」の三色だんご
約40種類の和洋菓子が並ぶ「御菓子司 羽入」の店内=新潟市秋葉区新津本町1

 「鉄道のまち」と知られる新潟市秋葉区に大正時代の初期から店を構え、100年以上の歴史を誇る老舗菓子店「御菓子司 羽入(はにゅう)」(新津本町1)。旅のお供として創業以来作り続ける「三色だんご」は看板商品として親しまれ、新潟県外の物産展でも人気の菓子だ。代表取締役で3代目の羽入由介(よしすけ)さん(61)は「変わらぬ味を守り続け、真心込めて作った伝統のお菓子をこれからも多くのお客さまに食べてほしい」と話している。

 店は羽入さんの祖父が創業。店の近くには新津駅のほか、かつてはバスターミナルや役場などもあり、人通りが多かった場所で商売を始めた。当時は菓子のほかに砂糖も仕入れて販売していたという。

 三色だんごは、1916年に地元の弁当屋が作る駅弁と一緒に列車の中でも手軽に食べられるように考案された。駅弁と同じような折り箱の中に一口大にした団子を敷き詰め、こしあん、白あん、すりごまを乗せてある。駅のホームで駅弁と一緒に販売され、昭和期に入って鉄道の利用者が増えると同時に人気を集め、看板商品となった。

 こしあんは北海道産の小豆、白あんは白インゲン豆、すりごまは黒ごまと白ごまを素材にそれぞれ国産を使用。団子は、県産うるち米を粉にした上新粉を使っている。

 製法は創業時から変わらず、団子は石臼でつき、手作業で...

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