「ビオレーヌ」のブランド名で黒イチジクの栽培拡大に取り組んでいる品田學さん=柏崎市松波4
「ビオレーヌ」のブランド名で黒イチジクの栽培拡大に取り組んでいる品田學さん=柏崎市松波4

 フランス原産の高級イチジク「ビオレソリエス」は、栽培の難しさや収穫量の少なさから“黒いダイヤ”と呼ばれる。新潟県柏崎市松波1の「青空ファームまなぶ」の代表、品田學さん(77)は、柏崎市で先駆けて栽培に取り組み、「ビオレーヌ」のブランド名で出荷している。メーカーの研究者だった経験を生かし、データを使った有機農法に挑戦。市のふるさと納税返礼品に採用されるなど、徐々に知名度を高めている。

 品田さんは市内の出身。自動車エンジン部品メーカー大手のリケン(東京)で長年、研究開発に当たり、定年後も数年間、県外の薬品会社などに勤務した。赴任先の山口県内には、イチジクの栽培で知られる田布施町があった。

 薬品会社を退職後、柏崎で何をしようかと思案したとき、ふと目に入ったのは祖母が家の庭に植えていたイチジクの木だった。...

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