
「地域をまるごとみる」ってどんなことでしょうか。
2017年に発表された、大人と子どもを含む日本人1000人の1カ月間の医療行動について調べた論文があります。それによると、医療機関(診療所・病院・救急外来)を受診した人は339人だそうです。残りの661人は症状がないから受診しないか、症状があっても自分で市販薬などを飲んだり、その他の方法で対処するということです。
つまり世の中には医療機関に来ない人が7割近くいるということですから、目の前にいる患者さん以外の住民の健康を考えるためには、視点を広げなくてはいけません。
われわれ医師の多くは普段診療所や病院などの医療機関で日々働いています。外来や入...
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