「ル・レクチエ共創会議」発足式で披露された天然酵母パン(手前)=三条市西大崎1
「ル・レクチエ共創会議」発足式で披露された天然酵母パン(手前)=三条市西大崎1

 新潟県の県央地域でも生産が盛んな新潟県産のブランド洋ナシ「ル・レクチエ」。摘果で廃棄される果実から新たな価値をつくろうと、三条市の農業体験交流センター、サンファーム三条(三条市西大崎1)と県内外の大学などが連携し、果実から酵母を抽出して天然酵母パンを作るプロジェクトに取り組んでいる。

 プロジェクトには、サンファームのほか、長岡崇徳大学、石川県のかなざわ食マネジメント専門職大学や企業が参加。サンファームと専門職大は6月から発酵や製パンの実験を重ねてきた。

 11月下旬には「ル・レクチエ共創会議」として参加団体が発足式を行い、これまでの実験結果や今後の課題について意見を交換した。パンの試食も行われ、「独特の酸味があり、フランスの田舎パンのようなしっとりした食感」と特徴が説明された。

ル・レクチエによる天然酵母パン

 長岡崇徳大2年の学生(19)はル・レクチエの生育過程を紹介。「捨てられる果実を活用したものをいろんな人に知ってもらえればいい」と期待した。

 専門職大3年の学生(20)は未完熟果実の発酵力や摘果時期による変化、冷凍による食味の違いなどを説明した。「実験を繰り返すたびに結果が違う。原因は一つではないが、それを突き詰めていくのが課題」と話した。

 サンファームによると、生産過程の摘果や自然落下などで、出荷されるル・レクチエの4倍ほどの果実が廃棄されている。坂内君代美センター長は...

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