故郷で初めてコンサートの指揮を務めるに当たり、抱負を語る小林雄太さん=東京都千代田区
故郷で初めてコンサートの指揮を務めるに当たり、抱負を語る小林雄太さん=東京都千代田区

 国内屈指のプロオーケストラ「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」に所属する新潟県長岡市出身の指揮者、小林雄太さん(27)が、2025年1月5日に新潟市中央区の新潟県民会館で開かれる神奈川フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサート(県など主催、新潟日報社共催)に出演する。故郷で指揮する初めての演奏会となる。「地元の皆さんの顔を見られるのが楽しみ。聴く人の心が満たされ幸せな気持ちになってくれたらいい」と目を輝かせる。

 小林さんは4歳でピアノを始め、長岡大島中、中越高では吹奏楽部で打楽器を担当した。

 指揮者を目指すきっかけは高校2年の秋、校内の芸術鑑賞教室でオーケストラの指揮者体験コーナーに出たことだった。音楽未経験の人が指揮した演奏が、自分の演奏より、会場を沸かせた。「自分の方が経験があるのに。うらやましくて、悔しかった」。苦い思いが将来の道を決定づけた。

 入学者2人という狭き門をくぐり、東京音大の指揮科に進学。卒業後は紀尾井ホール室内管弦楽団のアシスタントや、読売日本交響楽団のステージスタッフを務めながら、一流の音楽家の音づくりや、舞台裏の仕事を間近で見ながら研さんを重ねた。

 2022年7月、神奈川フィルの副指揮者に応募。審査で初めてプロの楽団を指揮し、...

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