2022年5月の三幸製菓荒川工場(新潟日報社ヘリから)
2022年5月の三幸製菓荒川工場(新潟日報社ヘリから)

 従業員6人が死亡、1人が負傷した三幸製菓(新潟市北区)の荒川工場(村上市)の火災を巡り、新潟地検が2月10日、書類送検されていた2事件のうち労働安全衛生法違反の容疑を不起訴処分とした。地検は理由を明らかにしていない。専門家はその背景に、公訴時効の壁や「故意犯」を問う難しさがあったと推察する一方、業務上過失致死傷容疑で刑事責任を問う可能性は残されているとし、「地検はそちらに万全を尽くしているはずだ」との見方を示した。

 「時間のハードルがある。労働局は警察や消防に捜査照会や捜査協力を求めなければならない」

 かつて労働基準監督官を務めた西脇巧弁護士は、労働安全衛生法違反が3年で時効となることが不起...

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