プレハブの中で芽吹くタラの芽。緑の新芽が鮮やかだ=十日町市丙
プレハブの中で芽吹くタラの芽。緑の新芽が鮮やかだ=十日町市丙

 新潟県十日町市の土木会社が促成栽培に取り組んでいる山菜「タラの芽」と「ウルイ」の収穫作業が進んでいる。それぞれ本来の旬は春。豪雪地に設けられたプレハブの中に入ると、原木から鮮やかな緑の新芽をほころばせるタラの芽や、真っすぐ伸びた白い茎のウルイが顔をのぞかせ、一足早い春を感じさせている。

 この会社は、十日町市丙の徳永興業。一般土木やボーリング工事の傍ら、20年前からタラの芽、その翌年からウルイの栽培に取り組んでいる。先々代社長の故徳永徳市さんが、土木業の端境期で、除雪作業の請負だけになってしまう冬季の新規事業として始めた。

 タラの芽は畑で育てた原木を、芽が出る箇所が1つとなるように10〜15センチ程度に小さく切り分ける。プレハブの中でトレーに張った井戸水に原木を浸し、水耕栽培する。気温は15〜20度に設定し、今の時期では2、3週間前後で顔を出したタラの芽が開き、出荷時期を迎える。

 ウルイは畑で収穫した株を、保冷庫に1カ月ほど保管して“冬”を経験させる。その後...

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