
素朴な甘さともちもちの食感が特徴のいももち
海も空も荒れ模様が続く新潟の冬は、寒さも長く続き、家にこもりがちです。そんな時、佐渡の郷土食を作ってみるのはいかがでしょうか。島の恵みと先人の知恵が詰まったレシピを紹介します。
※ページ下部にレシピあります。
もちもちとした軟らかい食感で、素朴なサツマイモの甘さが口に広がる「いももち」は、佐渡市の小木半島の冬の伝統食だ。佐渡土産として観光客にも人気で、今年も小木の家庭や製造所で作られている。
地質上、サツマイモ栽培が盛んだった小木半島の保存食として地元住民に長年親しまれている。戦前から小木地区の家庭などで冬に作られ、農閑期の貴重な収入源にもなっていた。
十数年前から製造、販売を手がける金子睦子さん(68)=小木大浦=は「昔は懐に入れて体温で温めて、おやつ代わりに食べていた」と昔を懐かしむ。
金子さんのおすすめは「紅高」。他品種より長持ちで、きれいな黄色に仕上がるという。紫イモ「パープルスイートロード」を使うと深い紫色、「パンプキンスイート」はオレンジと豊かな色彩も楽しめる。そのままでも食べられるが、トースターや電子レンジで温めると焼き芋のような甘みが増す。

金子さんのいももちは、島内のよらんか舎...
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