
独特の食感が味わえるアラメの煮物
海も空も荒れ模様が続く新潟の冬は、寒さも長く続き、家にこもりがちです。そんな時、佐渡の郷土食を作ってみるのはいかがでしょうか。島の恵みと先人の知恵が詰まったレシピを紹介します。
※ページ下部にレシピあります。
一見、ヒジキの煮物。口にすると、でこぼことした粗い表面の食感が独特で、磯の香りがほのかに広がった。その海藻の正体はアラメ。島内では冬場の貴重な保存食として、古くから親しまれてきた。
アラメはコンブ科の海藻。カルシウムや鉄分、食物繊維など栄養価に優れ、乾燥させることで2、3年は保存が利くようになる。佐渡では主に島北部の外海府、内海府沿岸で春先から収穫される。
アラメの煮物を調理してくれた森川あゆ子さん(53)は島南部の羽茂地区出身。28年前に北部の鷲崎地区の漁師と結婚したのを機に調理法を覚え、食べるようになった。
アラメはえぐみが強く、水に一晩浸す、熱湯にかけるなど調理前の一手間が必須だ。煮物が一般的だが、外海府では魚を巻いて「アラメ巻き」にする家庭も多い。煮崩れしにくく、みそ汁の具としても優秀だという。

刺し網に引っかかったり、...
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