角田山麓にある新潟市西蒲区福井の旧北国街道沿いに、いずれも100年以上の歴史を誇る老舗菓子店が2軒、店を構えている。かつて徳川将軍家にも献上したとされる柚餅子(ゆべし)を製造する「本間屋」と、まんじゅうなどを作る「尚古堂(しょうこどう)あめ屋」だ。のどかな集落内にある両店の味は、地域住民をはじめ、観光客などにも長年親しまれている。
◆将軍に献上も!伝統の柚餅子、江戸時代から変わらぬ製法・本間屋
本間屋は、1829(文政12)年に、初代の猶右エ門(なおえもん)が、雲水という京の修行僧を豪雪から助けたお礼に、柚餅子の製法を教わったのがきっかけで商売を始めたとされる。

その柚餅子は、長岡藩に献上されると称賛され、さらに14代将軍の徳川家茂にも献上されたという。...
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