釣り針がくちばしに刺さったとみられるコハクチョウ=2月中旬、村上市北新保のお幕場・大池公園(南澤直美さん提供)
釣り針がくちばしに刺さったとみられるコハクチョウ=2月中旬、村上市北新保のお幕場・大池公園(南澤直美さん提供)

 新潟県内に飛来しているハクチョウなど野鳥が、釣り針でくちばしなどをけがする被害が後を絶たない。この冬も村上、三条の両市でくちばしを負傷したハクチョウが確認された。釣り針をのみ込むと餌を食べられなくなり、死に至る恐れもある。全国組織の愛護団体「日本白鳥の会」(北海道)や県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里(新発田市藤塚浜)は、釣り針や糸を放置しないよう呼びかけている。(新発田総局・田中伸)

 「お幕場・大池公園(村上市北新保)に、釣り針がくちばしに刺さったコハクチョウがいる」。センターに2月中旬、情報が寄せられた。

 通報した「日本白鳥の会」会員の南澤直美さん(53)=新潟市西蒲区在住=は、「釣り針を取ろうとして必死に首を振ったり、くちばしや首を地面にこすり続けたりしていた」と胸を痛める。

 1月初旬にも三条市森町の「白鳥の郷公苑」で、オオハクチョウの幼鳥のくちばしに釣り針が刺さっているのが見つかった。様子を見守った南澤さんによると、食欲をなくし弱っていたという。

 村上と三条のいずれのケースも、...

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