
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題について語る花角英世知事=3月24日、県庁
花角英世知事は3月24日の定例記者会見で、東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。問題に関し、再稼働した場合の新潟県への経済的メリットの有無によって「県民の気持ちの固まり方に違いが生じると思う」との認識を示した。一方、現状は原発の安全性や東電の信頼性を議論している段階だとし、「メリットの議論はその後に行うべき」だとした。
柏崎刈羽原発で発電された電力は主に首都圏に送られる。立地地域が原発の事故リスクを負うことに対し、経済的メリットが不十分だとの声が県議会などから上がっている。
花角知事は原発の安全性などとは「次元の違うもの」とした上で「経済的メリットは議論されるべきだろ...
残り460文字(全文:760文字)