
宵乃舞で相川音頭を踊り歩く立浪会。宵乃舞では起承転結が伝わるよう、通常歌っている一節よりも長い歌詞を披露する=2024年6月、佐渡市相川広間町
地形も文化も独自に発展してきた新潟県の佐渡で暮らしていると、さまざまな謎に出合う。たいていの疑問は解決できたが、そのままにしていた二つの謎に迫るべく、島を巡ってみた。(佐渡総局・山田史織)
6月上旬に相川地区の京町通りで相川音頭を踊り歩く「宵乃舞(よいのまい)」。昨年は2日間で約7000人が来場する盛況ぶりだった。相川音頭として、ほぼ全ての団体が歌うのが、源氏と平氏の合戦を題材にした源平軍談の「義経弓流し」の一節。本来、相川音頭の歌詞には世相を反映した多くのバリエーションがあるとされるが、なぜ源平軍談が継承されているのか、どんな意味なのか-。民謡に詳しい関係者を取材した。
相川音頭は七七調の...
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