
左から森民夫前市長、磯田達伸市長
2005年4月から3次にわたった長岡市の合併を通じ、リーダーは広域の住民感情をくみ取り、発展への道筋を付ける責務を背負った。合併協議と新市の市政運営を担った前市長の森民夫さん(76)と、森さんが退いた16年から市政のかじを取る磯田達伸市長(73)に、目指した長岡市の姿や今後の展望を聞いた。(6回続きの6・特別編)
◆合併協議で「40万人都市構想」…森民夫前市長「地域の伝統に重きを」
-合併協議ではどんな点に心を砕きましたか。
「一言で言えば、地域の特性を生かすことだ。地域を回る中で、素晴らしい財産が各地にあることが分かってきた。例えば和島の良寛さまや寺泊の海、与板の『天地人』。それぞれが輝き、調和することへの期待が大きかった」
「もう一つは編入される側の痛みだ。手紙の住所で『長岡市』と書き始めることは、大変なストレスだろう。合併市町村には十分に気を使った」
-協議のさなかに、小千谷市や出雲崎町も加えた「40万人都市構想」を表明しました。背景は。
「あれは政治的な...
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