県内の伝統技術について意見を交わした新潟日報みらい大学=13日、新潟市中央区万代3
県内の伝統技術について意見を交わした新潟日報みらい大学=13日、新潟市中央区万代3
建築デザイナー、カール・ベンクスさんによる基調講演=13日、新潟市中央区万代3

 新潟日報みらい大学の2025年度第1回公開講座「『住まう』と『もの』の物語」が4月13日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで開かれた。オンラインを含めて約300人が聴講し、新潟県内の古民家や伝統技術の魅力と、将来の在り方について考えた。

伝統のものづくり×暮らしがテーマの「新潟日報みらい大学」はこちらから

 ドイツ・ベルリン出身の建築デザイナー、カール・ベンクスさん(82)=十日町市=が古民家の再生をテーマに基調講演。カールさんは、父が日本文化の大ファンだったことで自身が日本に興味を持ったことや、十日町市松代地域など各地で古民家の再生を手がけた事例を紹介。古民家には木材を使った日本の伝統技術が表れているとした上で、「世界中で有名な技術である古民家をみんなで守らなければいけない」と強調した。

 トークセッションでは、酒井指物(三条市)の酒井裕行さん(40)と、越後門出和紙(柏崎市)の小林康生さん(71)、笠井仏壇工芸(新潟市南区)の笠井俊裕さん(45)が、それぞれが継承する伝統技術のルーツや将来への思いを語った。

 新潟市中央区の無職女性(66)は「だんだんとなくなっていく古いものに新しい風を吹き込んで残していくことが、とても魅力的に感じ、心に響いた」と話した。...