
サルのGPS情報を受信するための基地局を設置する担当者=長岡市東中野俣
長岡市は、栃尾地域と山古志地域の一部の住民向けにウェブで提供している野生サルの位置情報「アニマルマップ」の取り組みを強化する。サルの首に着けた衛星利用測位システム(GPS)の情報を受信する基地局を、栃尾地域に2カ所設置した。サルの行動を的確に捉え、電気柵や追い払い、捕獲といった対策につなげる。
長岡市によると、市内のサル被害は栃尾地域に集中している。2023年度の被害額は131万4千円で、他の鳥獣に比べて多くはなく、人身被害も出ていないが、家庭菜園の野菜を食べられ困っている住民が多いという。
栃尾には塩谷、東谷、西谷、荷頃の各エリアに四つの群れがいることが分かっている。推定の個体数は計150匹。捕獲し、GPS情報を出す首輪を着けて放した雌が、各群れに2匹ずついる。
市の鳥獣被害対策実施隊メンバーが、携帯型の受信器を持って地域を回り、GPS情報を取得している。ただ、西谷と荷頃は入り組んだ地形で電波が受信しにくかったことから、固定の基地局を置くことにした。同様の装置は阿賀町や胎内市でも導入例があるという。
長野県の業者が21日、西谷の集会センターと荷頃の小学校跡地に、基地局を設置した。装置は高さ約3メートルで、太陽光を動力とする。半径2キロの範囲でGPS情報を自動で受信する。...
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