
売り物の花を店内に飾る佐藤恵理子さん=阿賀野市窪川原
東京から古里の阿賀野市窪川原へUターンし、実家の蔵を生花店兼駄菓子屋「さとのおうち」に造り変えた。田んぼに囲まれた小さくのどかな集落に、ひっそりと店を構えた佐藤恵理子さん(42)は「近所の人や子どもたちが集まる社交場になっています」とほほ笑む。(新発田総局・田中伸)
祖父が米を保管するために使っていた蔵で、中は12平方メートルと6平方メートルの2部屋。大きい方の部屋で四季折々の花々を販売し、良い香りが店先の路地まで漂う。小さい方の部屋には、ミニドーナツやガムなど昔ながらの駄菓子約50種類をそろえる。
祖母が使っていた茶だんすや、古風な戸棚などを商品の陳列棚として使った。「蔵の雰囲気に合わせて、昭和レトロにしました」と語る。
新潟市内の高校を卒業後、東京の専門学校で生花について学び、フラワーショップを運営する都内の大手企業に就職した。渋谷などの店舗で働いて経験を積み、本社で花束やリースのアレンジメントの講師を務めた。
転機は3年前、...
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