東京電力柏崎刈羽原発6号機を視察した原子力改革監視委員会のデール・クライン委員長(右から2人目)=26日、柏崎刈羽原発
東京電力柏崎刈羽原発6号機を視察した原子力改革監視委員会のデール・クライン委員長(右から2人目)=26日、柏崎刈羽原発

 東京電力が国内外の有識者を招いて組織している「原子力改革監視委員会」のデール・クライン委員長らが26日、再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。に向けて6月10日に核燃料を装填(そうてん)する予定の東電柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。6号機を視察した。クライン氏はプラントの状態に感銘を受けているとし「14年間停止していたとは思えない状態だ」と語った。

 監視委は、2011年の東電福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。を受けて12年に設置された。クライン氏は7号機を度々視察しているが、6号機は初めて。燃料装填を控える6号機を確認したいとの意向で、監視委のチャールズ・カストー委員と訪問した。

 柏崎刈羽原発の大東正樹副所長から6号機の安全対策工事の状況について聞き、水素爆発...

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