「クントの実験」に関する新事実を発見した笹川民雄さん。自宅の和室で実験を重ねた=新潟市西蒲区横戸
「クントの実験」に関する新事実を発見した笹川民雄さん。自宅の和室で実験を重ねた=新潟市西蒲区横戸

 高校教諭を退職後、独学で音響物理学の研究に打ち込んできた新潟市西蒲区の笹川民雄さん(69)が、音を可視化する「クントの実験」に関する新事実を発見した。約160年間、謎のままだったメカニズムを解明し、論文が学会誌に掲載された。自宅の和室を改装した実験室で、笹川さんは「ようやくここまで来た」と感慨深げだ。

 クントの実験では、音が空気の振動だという物理現象を分かりやすく視覚化できる。1865年ごろ、ドイツの科学者アウグスト・クントが考案した。高校物理にも登場する。

 透明な管の中に、粉末や発泡スチロール球など多数の粒子をばらまき、管内に音を流す。すると、粒子がしま模様になり、音波が可視化される=図参...

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