国土交通省の3月発表の公示地価(1月1日時点)で、新潟県内の商業地の変動率は全国43位のマイナス1・2%と冷え込んだ。前年に比べて0・3ポイント改善したものの、和歌山県、島根県と並ぶ「全国ワースト3位」に低迷した。

 全国的に商業地の地価は、新型コロナウイルス禍の影響から回復傾向にある。対して新潟県はウイルス禍に加え、歯止めがかからない人口減少が地価下落の要因になっているという。県の施策全般が効果を発揮していない断面の一つでもある。

 市町村別に見ると、JR新潟駅周辺の再開発が進む新潟市がプラスを確保したものの、0・3%と全国平均(0・4%)を下回る。調査地点のある他の22市町村のうちほぼ半数が2%以上の下落で、人口減と高齢化が進む豪雪地帯などが特に苦しい。県内第2、第3の市である長岡、上越も低迷。県全体の底上げや、拠点性向上の兆しは乏しいのが実情だ。

 県内全域に目を向けると、3月発表の公示地価(商業地、市町村別)で変動率がプラスだったのは新潟市のみ。他は全て下落した。県不動産鑑定士協会で地価調査委員長を務める飯田英範さん(52)によると、特に離島や豪雪地帯では不動産取引もあまり生まれず、価格も低いという。

 飯田さんは「人口減少の影響が大きい」と地価下落の背景を解説。住宅を買う世代が減れば街の活気も失われ、地価に反映される。本県は自然豊かな恵まれた環境だが、「魅力のある安定した職場がなければ、若い人は首都圏に出てしまう」と対応の必要性を指摘する。

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