舌戦がスタートした新潟県知事選では、人口減少対策が焦点となっている。

 総務省が1月に公表した2021年の人口移動報告によると、新潟県から転出する人が転入を上回る「社会減少」(転出超過)は5774人に上った。都道府県別では広島、福島、長崎各県に次いで下から4番目となる44位だ。年齢層別で大半を占めたのが20〜24歳。若者の流出が課題となっている。

 本県の人口は1997年の249万人をピークに減少が続き、216万人を切った。大きな要因の社会減を食い止めるため、県はさまざまな事業を展開する。

 ウェブサイトで若者向けに魅力ある県内企業の情報を紹介し、人材不足に悩む企業に対しては、学生の採用につなげるセミナーを開催する。東京にU・Iターンの相談窓口を2カ所設け、移住支援金も支給するが、目立った効果は表れていない。

 新型コロナウイルス禍で東京都からの人口分散が進む中、総務省の調査では、本県の社会減は感染禍前の19年の7225人に比べ、21年は1400人ほど改善し、5774人となった。

 ただ、東京からの転出者が向かう先は茨城、千葉など関東各県が多く、本県の社会減は20年から21年にかけては横ばいにとどまった。地方分散の流れは本県に及んでいない。

 新潟県の2021年人口移動調査(20年10月〜21年9月)では、転出超過を示す「社会減少」は6191人。このうち20〜24歳が3845人で、96%が「職業」を理由に挙げる。

 若者の流出は人手不足や企業の事業継続に影響すると経済関係者からは危惧する声が上がる。

 県の人口移動調査で、転入・転出に伴う人口の動きを示す「社会動態」が増加(転入超過)した市町村は、湯沢町と出雲崎町の2町だけ。28市町村は減少(転出超過)だった。

 ただ本県の社会減少は、1997年から25年間続き、歴代知事が対策を打っても、改善しなかった難しい問題だ。

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