
養殖したワカメを引き揚げる作業=佐渡市和木の沖合
温室効果ガスを吸収する海藻やマングローブといった「ブルーカーボン生態系」が、“海の森”として注目を集めている。
5月下旬、両津湾に面した佐渡市和木の沖合。銀鮭「佐渡サーモン」を養殖する「弓ケ浜水産」(鳥取県境港市)の社員らが、銀鮭ではなく、ワカメを海から引き揚げていた。「葉がちぎれたものもあるが、昨年より大きく育っているのではないか」。佐渡事業所長の中澤雄介さん(41)は満足そうに語った。
海の中に設けた銀鮭を育てるいけすの周りで、温室効果ガスを吸収するため、ワカメを育て始めたのは2023年度のこと。この日はCO2吸収量を測るため、成長具合を確かめた。
弓ケ浜水産は全国の事業所で...
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