
レゾナック・ホールディングスに伝えたいことを筆談で示す古山知恵子さん(左)と支援者の萩野直路さん=8月4日、県庁
母親の胎内でメチル水銀の影響を受けた胎児性水俣病熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(八代海)に流された排水に、毒性の強いメチル水銀が含まれ、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや感覚障害、視野狭窄(きょうさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。母親の胎内で影響を受けた胎児性患者もいる。根本的な治療法は見つかっていない。65年には新潟県の阿賀野川流域でも同様の病気が公式確認された患者として新潟県でただ一人、行政から認定されている古山知恵子さん(60)が4日、新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。の原因企業、レゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)の髙橋秀仁社長との面会を改めて文書で要望したことを受け、県庁で会見した。水俣病のため話すことが難しい古山さんは筆談で「私をこんなにした会社の社長なのに。会って話をして下さい」などと記した。
古山さんは、5月に新潟市で開かれた新潟水俣病公式確認60年の式典当日、髙橋秀仁社長との面会や支援拡充を求める手紙をレゾナック側に手渡していた。...
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