
地元の人たちが出迎える中、到着したフリオ・アラモさん=十日町市松之山湯本
世界に95体ある黒い雄牛のモニュメントを、オートバイで巡る挑戦をしているスペインの男性ライダーが、十日町市の松之山温泉にある大地の芸術祭作品「ブラックシンボル」に到着し、8年がかりで“完全制覇”を果たした。出迎えた地元の子どもたちと交流し、「夢がかなった」と喜びをかみしめていた。
黒い雄牛は、スペインのシェリー酒酒造会社「オズボルネ」のシンボルマーク。ブラックシンボルは、2018年の大地の芸術祭作品で、オズボルネから協力を受けて制作された。黒い雄牛のモニュメントはスペイン、メキシコ、デンマークにあり、松之山温泉は国内唯一の設置場所だ。
巡る挑戦を成し遂げたのは、ITエンジニアのフリオ・アラモさん(52)。子どもの頃はスペイン国内で雄牛のモニュメントを、ゲーム感覚で見つけていたという。オートバイでのモニュメント巡りは2017年に始め、昨年までに94体を巡り終えていた。
日本唯一の黒い雄牛を目指し、5月にスペインを出発。約80日かけて、ロシアなどを経由して約2万1千キロを走破し、7月22日午後2時半ごろ、松之山温泉に到着した。

ブラックシンボル前では、地元の小中一貫校「まつのやま学園」の子どもたちや旅館関係者約100人が、スペインの国旗などを振って出迎えた。交流会で子どもたちは「一人旅で寂しくなかったか」「ご飯は何を食べてきたの」と質問していた。
まつのやま...
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