ドラマケ-ションのワークに取り組む参加者=2025年6月、大阪市(撮影・林昌三)
 ドラマケ-ションのワークに取り組む参加者=2025年6月、大阪市(撮影・林昌三)
 ドラマケーションのワークショップ会場で笑顔を見せる幸野ソロ。「みんなで同じ方向を向くのは難しい時代だが、みんなでつながる楽しさは知ってほしい」と話す=2025年6月、大阪市(撮影・林昌三)
 「人間知恵の輪」を楽しみながら、課題解決に向け協力するワークショップの参加者たち。左奥は見守る幸野ソロ=2025年6月、大阪市(撮影・林昌三)
 初対面の相手と、最初は遠慮しながら=2025年6月、大阪市(撮影・林昌三)
 幸野ソロの年表
 タイトルカット

 一見して面白いわけではない。約50センチの距離で2人が向き合い、1人が左右、1人が上下に手を開いて、ぶつからないように交互に拍手をする。「餅つき」は、ただそれだけのワーク(身体活動)だ。言葉は使わない。

 だが、拍手のテンポや方向を「あうんの呼吸」で変えるうち、場の空気が活気づく。約1分で相手を替える頃には、どちらも充実の笑顔だった。

 6月下旬、大阪市のビルの一室に教員や企業の研修担当者ら初対面の16人が集まった。演劇と遊びの要素を取り入れ、コミュニケーション力を養う「ドラマケーション」のワークショップ。講師でNPO法人ドラマケーション普及センター理事長の幸野(こうの)ソロ(52)は「『餅つき...

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