大山顕さん
 大山顕さん
 「マンションの商品性が一番表れるのがどこかと考えた時に、それは宣伝コピーだろうと気が付いた」と語る大山顕さん
 「マンションポエム東京論」

 「ときめくために生まれた。ときめきをシェアする摩天楼。」「人生に、南麻布という贈り物。」―。街中でよく目にする分譲マンションの大仰な宣伝コピー。物件の設備や機能を伝えるのではなく、雰囲気を詩的につづることを優先したこの文章を「マンションポエム」と名付けたのが、写真家で評論家の大山顕さんだ。約20年にわたって収集、分析した評論を約25万字の大著「マンションポエム東京論」(本の雑誌社・2970円)にまとめた大山さんに、ポエムを通して見えてきた都市の変容について聞いた。(共同通信=辻将邦)

 ▽何でも集めると見えてくる

 ―そもそも「マンションポエム」とは?

 「電車の中づり広告や新聞の折り込みチラシ、...

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